未来の為に約束をしよう。

むかしむかし

そんなふうなことを僕はある人に言った。


いろんなことを考えて

必死で足掻いて

ようやくひとつ乗り越えられそうに思えた今日

家に帰ってから

よしもとばななの"とかげ"と、"ひとかげ"を読んで、ふと思い出した。








どうして今まで忘れていたんだろう。









その人はずっと一人で苦しんで、悲しんで、

そこから抜け出せないくらい深くで耐えていて

そんな、その人にしか分からない辛い事を

僕に一生懸命話してくれた。

だけど

何も持たないその時の僕には

してあげられることがなにひとつなかったから

だったらせめて

未来に向けて

楽しい事を想像しよう

幸せになる為の約束をしよう

と、そう言った。



次に帰ってきたら海へ行こうとか

お金が貯まったら旅行に行こうとか

あの店のらーめんを食べに行こうとか

見たかったあの映画を見に行こうとか

そうやって子供みたいに他愛も無い事を

約束をしていった。




それがその人の生きる勇気になるのならと。








けれど僕は、一番大事な時に、一番大切な約束を破ってしまった。


その時僕は自分の人生を言い訳にして

その後半年もの間その人を一人きりにした。


長い長い自分の人生の先を見てしまって、その為に必要な事に気付いてしまった僕は

一番大切な時に

一番誤った選択をした。

なにをどうしても取り返しはつかず

それがずっと心の底にあって

結局、自分で自分を腐らせていった。




本当に情けなくて

今でも引戻されそうになることがあるけれど

どう足掻いても道は未来にしか向かっていないんだということを僕は教えてもらって

もう、過去に囚われて、無意味な執着をするのはやめようと

そう思えるようになったから

これからは

出来る事から少しずつ

決して過去を忘れず

そして自分の『今』から目を逸らさず

しっかりと生きて行こうと思う。




登場人物全てが

生々しく必死に、美しく生きているよしもとばななの小説が

僕は大好きです。

君に幸在れ。
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by matsumoto_nayuta | 2008-10-14 23:05 | music